なんだかんだで11月、寒さも急に増してきました。
ComSの教室は海に近いこともあって真冬は激寒らしいです。今から電気代のことを考えると、一足はやく寒気を感じています…(笑)
さて、みなさんは「正解病」という言葉をご存じでしょうか?
「あらゆる物事にたいして、正解と言えるような方法や答えがあると思うこと」といった意味なのですが、近年、注意喚起される場面が増えています。
なぜ最近になって注目されるようになったのか。また、それに対してどう対処すべきなのかを私なりに考えてみます。
今や、スマホは大人のものではありません。YouTube、Instagram、Tik Tokなど、学生が夢中になるようなエンターテインメントが無料でいつでもどこでも手に入る時代です。今の学生たちは、いわゆる「スマホネイティヴ」であり、スマホなしでの生活は考えられないでしょう。
そして、スマホは私のような大人も含めて、抗えないレベルの依存性を持っています。いつでもどこでも高クオリティのゲームを友人とできて、高画質の動画や画像を見れる。SNSに投稿することで、日常では得られにくい承認欲求が満たされる。何時でも、何時間でも友達や恋人と電話が出来る。スマホの依存は薬物の依存よりも強いという研究もあります。
私たちはその利便性に慣れてしまいました。つまり、「即座に欲求が満たされる」ことが当たり前になったのです。それは逆に考えると、忍耐力や集中力の低下、前頭葉の発育の妨げとなり得ます。要するに、「手っ取り早く楽に、目に見えた成果が欲しい」となってしまうということです。
これが今回の「正解病」につながります。手っ取り早く成果が欲しいために、正解があると仮定して(信じ切って)行動をしてしまうのです。また、学校教育においても、日本の場合は正解があるものを教えるという教育システムに傾倒しているため、拍車がかかってしまいます。
私が指導していて、正解病的な症状があると認識する学生の特徴は以下のようなものがあります。
・自分で判断せず、勉強に関するすべての判断をゆだねてくる。
・問題や過去問を解いても、間違えた内容や対策よりも正答率に目がいく。
・前進感がないと不安になるので復習をしない。
・周りの状況の影響を受けやすい。
・ネットの情報を鵜呑みにする。
複数個当てはまった場合は注意して下さい。「正解病」を抱えている場合、自分の学習の問題解決に根本的に向き合えないため、学力は非常に伸びにくくなってしまいます。
「なぜ間違えたか。どこから分かりにくくなったのか。どこまでは理解できているのか。」
そこと向き合わずに改善されることはありません。「正解」という結果は、そこにいたるまでのプロセスによって導き出されるのですから当然です。
では、どう対処するか。
まずは、自分が「正解病」になっていることを自覚してください。スポーツで変な癖があった場合、自覚しない限り直らないのと同様です。努力が足りないんじゃなく、手段や考え方が間違っているんです。
そして、「自分の目標(ゴール)」の状態を明確に想像してください。
英語を出来るようになりたいのであれば、まず「英語ができるってどんな状態だろう?」と考えてみましょう。スラスラ読むために単語をたくさん覚えている。複雑な構文でも処理できる。文章が長くても簡潔に整理して読める。
その上で、その状態になるためのプロセスを逆算します。
単語を覚えるために毎日塾でテストしてもらおう。構文に対応するために簡単なレベルから英文解釈に取り組もう。整理して読むために現代文を勉強しよう。
アプローチに「正解」はありません。もちろん、その相談にはアドバイスさせていただきますが、「今、自分には何が足りていなくて何をすべきなのか」をしっかりと認識することが大切なのです。「英語のために現代文の勉強をする」と聞くと、それこそ「間違っている」と考えてしまうでしょうが、実際に私自身、英文法は壊滅的であったにも関わらず志望校に合格したのは現代文の勉強で培った読解力のおかげです。
正しいか正しくないかではなく、目的に合っているか否かが重要だということです。
まとめ
・スマホの普及の影響もあって、正解病の人が増えている。
・しっかりと自覚して、目的とそれのための対策を重視する。
・そもそも正解なんてあるならすべての学生が優秀になっている。