今回は「現代文の勉強法」についてお話します!
現代文は、何をどのように勉強すれば点数を取れるようになるのか分かりにくい科目ではないでしょうか?
「日本人だからなんとなく出来る」と思って放置していると、安定した点数をとれるようにはなりません。
以下のポイントを意識して勉強しましょう!
① 抽象的な表現と具体的な表現で表されているところを結び付ける意識を持つ
基本的に、現代文(評論文)は筆者の主張を「具体→抽象」あるいは「抽象→具体」のように言い換えて書かれています。
ただ具体的なことばかりや抽象的なことばかり書いても、読者には伝わりづらいからです。
例えば、
「昨日すごく面白いことがあった。友達がコーラを開けたら泡がふき出して顔がコーラまみれになった。」
という文章なら、漠然とした話から具体的に起こったことを説明しているので、抽象→具体です。
このとき、「面白いこと」=「友達がコーラまみれになった」という関係が成り立ちます。
この例では直後に具体的な話に展開しましたが、現代文の文章では必ずしも直後に書かれるわけではないために、この「言い換えの関係」を見落としがちになります。
なので、しっかりと意識しながら読み、気づけるチカラを養うことが大切です。
筆者は読者に伝わりやすいように抽象と具体を駆使して書きます。評論文の問題は、この抽象と具体に関連していることが非常に多いです。
「○○とあるが、どういうことか。説明しなさい。」
という問題ならば、○○の部分が抽象だった場合、それについて具体的に書いているところを探し出せばいいだけです。
先ほどの例を使うと、
「面白いこととあるが、どのようなことか。説明しなさい。」
という問題であれば、
コーラを開けた友達が、泡がふき出したためにコーラまみれになったこと
という内容を書けばいいだけです。
解答の表現は個々で少し変わるかもしれませんが、基本的には「本文中の表現をそのまま使う」ことを意識すれば、概ね正解に近い答えになるでしょう。
重要なポイントとして、
「現代文の記述問題(説明問題や要約問題)は、問いに答えられればOK」
ということをおさえておきましょう。
私は、現代文の記述問題に完璧な答えはないと考えています。
いわゆる「てにをは」を変えても成立しますし、そもそも合格するためには部分点で合格ラインを取れたら十分なのです。
模範解答に忠実でなくても、本文中の言葉を使って問いに答えれば十分な得点が期待できます。
コツとしては、意外と意識されないことが多いのですが、「相手が何を聞いているのか」をしっかり考えて答えることで、より良い解答に近づけるでしょう。
② 簡単に解答に納得するな!
解答に書かれている解説は、基本的には正しいです。
しかし、だからといって理解できないのに納得したり、うやむやのまま済ませていては現代文の学力は上がりません。
現代文もテストとして成立し、答えが存在するということは、数学のように答えの根拠が必ず存在します。
その根拠を自分で導き出すためには、日ごろの勉強から問題の解説と向き合い、納得するまで解説を否定してみましょう。
「この解答だと、この答えも考えられるじゃないか」
「この根拠は、あまりにも無理がある」
そんなふうに解説を否定し、否定できなくなるところまで考えることで自分が問題を解く際に明確な根拠を持って答えることができるようになります。
③ 評論文は解くたびに話を蓄えていく
評論文で扱われる内容は、実はある程度限られています。
西欧やアメリカと日本の文化の違いや、近代以前と近代以降の文明の変化、最近ではテクノロジーを扱ったもの、流行についてなどが入試でよく出題されています。
ということは、日ごろからそういったテーマごとの内容などを漠然とでいいので蓄えておくと、本番で出題されたものへの理解がしやすくなります。
例えば問題集で、
「テクノロジーの進化によって、人は怠惰になり心身ともに弱くなっている。進化を完全に良いこととして受け入れるのはどうだろうか。」
といった内容を扱ったとします。
そしたら、その内容に関して自分なりに考え、意見をノートにまとめてみると良いでしょう。きちんと覚える必要はありません。
本番で、上記の内容と逆に、
「テクノロジーによって人間が弱体化するという話もあるが、問題はテクノロジーにあるのではない。本質的に人間は怠惰なものであり、むしろ怠惰になるためにテクノロジーを進化させようとしているのではないか。」
といった内容が出たら、先ほどの問題集から学んだことを知識として活かしつつ読解できるので、文章の理解がしやすくなります。
評論文の問題は、一冊の本から重要なポイントだけ抜き出して作られています。つまり、本のオイシイところだけ読めるということです。
積極的に問題を解いて、その内容について能動的に考えることで受験生としてはもちろん、人としても成長できるでしょう。
④ 漢字は余裕があれば!でも語彙は重要!
現代文と言えば、漢字の問題は高確率で出ます。
しかし、漢字問題の配点は全体の中では小さく、漢字の学習をしたからと言って答えられる保証はありません。内容に関する内容一致問題や正誤問題の方が配点も高く、重要なことは間違いないでしょう。
漢字は、冬になって志望校に対して点数がとれるようになり、「あと1点でも伸ばしたい!」という状況になってからでいいでしょう。
それに対し、語彙を増やすことは受験勉強初期から始めるべきです。
①で書いた「抽象」や「具体」もそうですが、「アイデンティティ」や「パラドックス」のように意味を知らないと文章が理解できない言葉はたくさんあります。
「意味はこんな感じ」くらいの曖昧さでいいので、語彙を増やす勉強は常に行いましょう!
以上の4つのポイントを意識して、これからの勉強に活かしてください!